令和5年度東北地域のデザイン人材を繋ぐ「ナレッジシェア・ポート(知識移転の場)創出」実証調査事業報告書

掲載日: 2024年9月10日
委託元: 経済産業省
担当課室: 東北経済産業局総務企画部企画調査課
委託事業者: 株式会社金入
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令和5年度東北地域のデザイン人材を繋ぐ「ナレッジシェア・ポート(知識移転の場)創出」実証調査事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告書は、令和5年度に東北経済産業局が実施した「ナレッジシェア・ポート(知識移転の場)創出」実証調査事業について書かれた報告書である。東北地域は人口減少や若年層の首都圏流出により、地域課題が多様化・複雑化しており、その解決には専門人材との協業が不可欠となっている。特に、地域に根ざしたデザイン活動を行う「インタウンデザイナー」の取組が注目されているが、全国のデザイン人材の約6割が東京・大阪に集中し、地方のデザイン人材は限られている状況である。本事業では、東北各地で活躍するインタウンデザイナー7名を委員とする非公開の現地研究会を岩手県遠野市、青森県八戸市、宮城県丸森町で開催し、それぞれの取組における障壁やポイントを共有した。また、一般向けの公開イベント「東北デ、〜東北で、デザインするということ〜」を開催し、150名の参加者を得て、インタウンデザイナーの活動を広く紹介した。これらの活動を通じて、インタウンデザイナーと地域の協業促進には、相互理解の深化と地域側のデザインリテラシー向上が必要であることが明らかになった。参加者からは、デザイナーへの理解が深まり、地域への愛と熱量に感動したという声が寄せられた一方、デザイン費の捻出やマッチング機会の不足、自治体の業者選定制約などが課題として挙げられた。事業の成果として「東北デ、〜東北で、デザインするということ〜」ガイドブックを作成し、今後は東北各地で継続的な知見共有の機会を創出し、ローカルグッド・ソーシャルグッドな共創の取組を促進することで、地域の包摂的成長の実現を目指すとしている。