令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(ドミニカ共和国・DX・GX技術活用を指向したサントドミンゴメトロ3号線整備調査事業)事業報告書(スペイン語版)(公表用)
報告書概要
この報告は、ドミニカ共和国の首都サント・ドミンゴにおけるメトロ3号線(都市鉄道)の事前フィージビリティスタディについて書かれた報告書である。2023年9月から2024年2月にかけて実施された本調査は、日本の経済産業省(METI)の海外質の高いインフラ開発促進事業として行われ、サント・ドミンゴの交通渋滞緩和と持続可能な都市開発を目的としている。
メトロ3号線は、シウダー・ヌエバ地区から大型ホテル、ショッピングセンター、政府地区、コロニア地区、そしてサント・ドミンゴ東部の住宅開発地区を結ぶ路線として計画されている。この路線の開発により、公共交通機関を中心とした都市開発が促進され、交通渋滞、交通事故、温室効果ガス排出量の削減が期待される。
調査内容には、最適な路線選定と交通モードの分析、需要予測、技術的フィージビリティ検討が含まれる。調査手法として、文献調査、日本企業へのヒアリング、現地視察、政府機関との協議が実施された。調査チームは日本工営株式会社を中心とし、日本地下鉄協会、国際交通技術株式会社などの専門機関が参画している。
ドミニカ共和国側では、大統領府、経済計画開発省、外務省、公共事業通信省、交通陸運国立研究所、交通再編事務所などの政府機関が協力している。技術的検討では、リニアメトロ、従来型地下鉄、AGT、モノレールなど複数の交通システムを比較評価し、エネルギー効率、運営維持管理コスト、技術的適応性を分析している。
今後のアクションプランとして、詳細フィージビリティスタディの実施が提案されており、交通量調査、地質調査、地形測量、需要予測の更新、予備設計、運営維持管理計画、社会環境配慮、プロジェクト実施・資金調達スキーム、事業評価などが計画されている。海外鉄道事業における日本企業の運営維持管理実績として、タイのバンコク紫線、カナダのオンタリオLRT、イギリスの鉄道事業、UAEのドバイメトロなどの事例が参考として示されている。