令和5年度質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(ドミニカ共和国・DX・GX技術活用を指向したサントドミンゴメトロ3号線整備調査事業)事業報告書(日本語版)(公表用)

掲載日: 2024年9月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局国際プラント・インフラシステム・水ビジネス推進室
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報告書概要

この報告は、ドミニカ共和国の首都サントドミンゴにおけるメトロ3号線整備事業の実施可能性調査について書かれた報告書である。

調査は令和5年度の質の高いインフラ海外展開事業として経済産業省の委託により実施され、日本工営株式会社、日本地下鉄協会、日本コンサルタンツ株式会社が共同で担当した。3号線は大型ホテルが立地する新市街、官庁街がある旧市街、東部の新興住宅地を東西に結ぶ路線として計画されており、深刻化する交通渋滞の緩和と公共交通ネットワークの強化を目的としている。

調査期間は2023年9月から2024年2月までの5か月間で、既存資料収集、需要予測、交通モード検討、路線計画、車両・運転計画、インフラ計画、環境社会配慮、運営維持管理計画、経済財務分析等の包括的な検討が行われた。特にDX・GX技術の活用を指向しており、デジタルトランスフォーメーションとグリーントランスフォーメーションの観点から持続可能な都市交通システムの構築を目指している。

技術的検討では、リニアメトロ、AGT、モノレール、普通鉄道等の複数の交通モードについて、エネルギー効率、保守性、建設コスト等の観点から比較検討が実施された。リニアメトロは非接触で可動部が少なく保守が容易である一方、浮上用電力が必要である特徴が示されている。また、MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の導入やTOD(公共交通指向型開発)による沿線開発も検討対象となっている。

環境社会配慮では、ドミニカ共和国の環境影響評価制度に基づく手続きが整理され、建設による環境影響と社会影響の最小化策が検討された。運営維持管理では、日本企業による海外鉄道運営の成功事例として、タイのバンコクパープルライン、カナダのオンタリオLRT、イギリスのウエストミッドランドライン等が参考事例として挙げられている。

本調査により、サントドミンゴメトロ3号線の技術的実現可能性、経済性、環境適合性が確認され、事業化に向けた具体的なアクションプランが策定されている。