令和 5年度地域経済産業活性化対策調査事業(蓄電池製造装置サプライチェーン強化に向けた調査事業)報告書

掲載日: 2024年9月28日
委託元: 経済産業省
担当課室: 近畿経済産業局地域経済部次世代産業・情報政策課
委託事業者: 日鉄総研株式会社
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報告書概要

この報告は、蓄電池製造装置サプライチェーン強化に向けた調査について書かれた報告書である。令和5年度の経済産業省調査事業として、日鉄総研株式会社が実施した。2050年カーボンニュートラル実現に向けて、蓄電池産業は自動車の電動化と再生可能エネルギー主力電源化の最重要技術として位置づけられており、2030年に国内150GWh、グローバル600GWhの製造能力確保が目標とされている。しかし材料・セルメーカーが大企業である一方、製造装置メーカーは中堅・中小企業が中心であるため、生産規模拡大に限界があり、製造装置が産業発展のボトルネックとなる懸念がある。

調査では16社に対してヒアリングを実施し、リチウムイオン電池製造工程を攪拌、塗布、圧延・切断、捲回・積層、組立、注液、検査の7工程に分類した。各工程の製造装置メーカーの現状分析により、技術的特性、要素技術、競争環境、参入パターンを明らかにした。特許分析も併せて実施し、近畿経済産業局管内を中心とした企業の実態把握を行った。

報告書では各工程の主要企業リストを整理し、製造装置メーカーの現状と課題を詳細に分析している。プライミクス株式会社や株式会社京都製作所などの参入事例を紹介し、異業種からの参入における技術開発、人材確保、設備投資の重要性を示している。関西エリアには蓄電池関連企業が集積しており、産学官連携による人材育成も進められている状況である。