令和5年度 質の高いインフラの海外展開に向けた事業実施可能性調査事業(アジア大洋州国・CBDC(中央銀行デジタル通貨)の導入による金融システムの高度化・クロスボーダー決済の改善に向けた調査事業)事業報告書
報告書概要
この報告は、アジア大洋州諸国におけるCBDC(中央銀行デジタル通貨)の導入による金融システムの高度化とクロスボーダー決済の改善に関する調査について書かれた報告書である。株式会社ソラミツが実施した令和5年度の質の高いインフラ海外展開事業実施可能性調査事業として、ASEAN諸国を中心とした地域における金融インフラの現状と課題を分析している。報告書では、ASEAN5カ国のクロスボーダー決済の取り組み状況や、youSave LoMobileなどの既存サービスの概要、Kacific1のサービス提供範囲が示されている。また、NAPAS CARDの機能や規制サンドボックスの概念図を通じて、各国の金融イノベーション推進体制が説明されている。さらに、EziPeiやM-selenといった決済サービスの送金・決済手数料体系が比較検討され、地域内における決済コストの現状が明らかにされている。CBDCの導入により、従来の金融システムでは困難だった効率的な国際送金や決済インフラの構築が可能となり、アジア大洋州地域における金融包摂の促進と経済発展への貢献が期待される。調査結果は、日本の金融技術やインフラ輸出の可能性を検討する上で重要な基礎資料となっている。
