令和5年度技術開発調査等推進事業(博士人材の産業界への入職経路の多様化に関する調査)調査報告書

掲載日: 2024年10月5日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局技術振興・大学連携推進課大学連携推進室
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令和5年度技術開発調査等推進事業(博士人材の産業界への入職経路の多様化に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、博士人材の産業界への入職経路の多様化に関して書かれた調査報告書である。労働力不足や業務の専門化・高度化が進む中、博士課程学生の産業界での活躍が期待されているが、博士課程学生と企業双方に課題が存在する状況を分析している。博士人材は研究のアウトプットとして特許出願件数や論文被引用件数が修士等出身者より高く、企業のイノベーション実現に貢献している一方、海外と比較して日本の博士号取得者数は少ない状況にある。博士課程修了者の就職経路として、指導教員等からの紹介が多く民間サービスの活用が少ないため、専攻領域を活かしたマッチング以外の機会が限定されている。現状では博士課程修了後の民間企業・公的機関等への就職割合が約36%と修士課程修了者の約74%より低く、修士課程から博士課程への進学は約10%にとどまっている。この状況を改善するため、博士課程から就職するルートを拡大し、高度な専門性を企業で発揮させることで社会に還元するとともに、博士課程の魅力向上により修士課程からの進学を促進することを目的としている。施策論点として、総合職ではなく専門性を評価した採用・処遇の重要性、現場を巻き込んだ採用、直接的専門性のみならず周辺の専門性の活用、キャリア支援体制の充実、ジョブ型研究インターンシップの改善、民間事業者との連携強化などが挙げられている。