令和5年度中小企業実態調査事業中小企業関係租税特別措置の効果に関する調査研究報告書
報告書概要
この報告は、令和5年度中小企業実態調査事業における中小企業関係租税特別措置の効果に関する調査研究について書かれた報告書である。
本調査は中小企業関係租税特別措置の利用実態や政策的効果を定量的に検証し、制度の今後のあり方についての検討・分析に資することを目的として実施された。調査は2023年7月から9月にかけて行われ、中小企業税制に関するアンケート調査と中小企業のM&Aに関するアンケート調査の二つの調査から構成されている。
中小企業税制に関するアンケート調査では、法人企業20,000件を対象とした郵送調査およびWEB調査により4,152件の回答を得た。また、個人事業主2,000件を対象としたインターネットモニター調査も実施された。調査内容は法人については概況・財務状況、交際費課税の特例、少額特例、組織再編・事業譲渡時の登録免許税・不動産取得税の特例、創業時の登録免許税の特例、所得拡大促進税制を対象とし、個人事業主については属性と事業承継に関する税制を調査対象とした。
M&Aに関するアンケート調査では、買収企業20,000件を対象とした調査により3,028件の回答を得た。さらに被買収企業45件を対象とした調査も実施された。調査内容は買収企業についてM&Aの実施や今後の意向、デューデリジェンスやPMIの実施、中小企業事業再編投資損失準備金税制、合併・分割・事業譲渡時の登録免許税・不動産取得税の特例、実施したM&Aに対する評価、賃上げ促進税制、その他M&Aに関する事項を対象とした。
定量分析では交際費課税の特例に関する分析と中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例による事務負担の軽減率の測定が行われた。これらの分析により、各税制措置の具体的な効果と企業への影響が定量的に評価されている。