令和5年度スポーツDX促進事業(スポーツコンテンツの魅力向上に資する取組等に係る調査事業)報告書
報告書概要
この報告は、スポーツDX促進事業の一環として実施されたスポーツコンテンツの魅力向上に関する調査について書かれた報告書である。
本調査は、エンターテインメントの選択肢拡大により競争が激化する中で、スポーツコンテンツの魅力向上が重要となっていることを背景として実施された。調査は西村あさひ法律事務所が受託し、台湾及び韓国のスポーツくじ制度、各国のインテグリティ対策、日本のスポーツコンテンツの海外展開について包括的に分析している。
台湾のスポーツくじは2008年に開始され、オンライン販売やインプレイ商品を積極的に導入し、払戻率78%に設定されている。2023年の年間売上高は約592億NTDに達し、人口比で換算すると日本で年間約1.5兆円の市場規模に相当する。韓国のスポーツくじも同様に高い成長を示しており、両国ともにスポーツファン拡大に寄与している。
インテグリティ対策については、米国のMLBやNBA、英国のプレミアリーグ、オーストラリアのSIA等の取組を調査し、スポーツの健全性確保に向けた多様な手法が確認された。これらの対策には、ルール整備、教育プログラム、調査・モニタリング体制、誹謗中傷対策等が含まれている。
日本のスポーツコンテンツの海外展開については、パ・リーグ、Jリーグ、Bリーグの放映権及び肖像権の海外販売状況を調査した。各リーグともアジア諸国を中心に海外展開を進めているが、市場規模は現状では小規模に留まっている。今後は海外ファンの獲得を視点としたコンテンツの魅力拡大と、NFT等のDX技術を活用したビジネスモデルの展開が期待される。
