令和5年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(スマート保安技術の導入に伴う電気工作物の点検等の在り方に関する調査)調査報告書

掲載日: 2024年10月16日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ電力安全課
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令和5年度新エネルギー等の保安規制高度化事業(スマート保安技術の導入に伴う電気工作物の点検等の在り方に関する調査)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和5年度新エネルギー等の保安規制高度化事業として実施された、スマート保安技術の導入に伴う電気工作物の点検等の在り方に関する調査について書かれた報告書である。近年の生産年齢人口の減少や再エネ発電設備の増加により電気保安人材の不足が深刻化している中、遠隔監視技術等の新たなテクノロジーを活用したスマート保安の導入により、自家用電気工作物の保安管理における効率化を図ることを目的として実施された。調査では、外部委託における点検項目の整理、自家用電気工作物の点検・事故データベースの構築・分析、特別高圧設備及び高圧EV急速充電器の点検工数算定、認定校制度の課題特定、ボイラー・タービン主任技術者の選任に関する検討という5つの項目について検討が行われた。特に高圧需要設備を対象として、機器別の故障しやすい弱点部位の特定とセンシング技術の適用可能性について詳細な分析が実施され、約11,400件の事故応動要請データから約3,200件の純粋な機器故障を抽出し、機器経年故障分布図を作成した。さらに電気火災、感電事故、波及事故といった重大事故を防ぐためのミニマムコストでのスマート保安手法の提案を行い、水素・アンモニアを燃料とする発電設備に対するボイラー・タービン主任技術者の許可選任要件についても検討を行った。これらの検討により、中小規模の高圧需要設備において導入可能で経済的なスマート保安システムの構築に向けた具体的な方向性が示された。