令和5年度地域デジタル人材育成・確保推進事業(企業と連携するデジタル人材に関する調査) 調査報告書

掲載日: 2024年10月22日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務情報政策局情報技術利用促進課
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和5年度地域デジタル人材育成・確保推進事業(企業と連携するデジタル人材に関する調査) 調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和5年度に実施された地域デジタル人材育成・確保推進事業における企業と連携するデジタル人材に関する調査について書かれた報告書である。

デジタル田園都市国家構想の実現に向けて、地域企業のDXを加速させるために必要なデジタル人材の育成・確保が急務となっている。Society5.0の実現や新型コロナウイルス感染症の影響により、企業の行動様式が変化し、地域企業が経営課題や事業環境の変化に対応するためにはDXの推進が不可欠である。現在、デジタル人材の需要が高まっているものの、育成が追いついておらず、特に地域のユーザー企業では人材獲得が困難な状況にある。さらに、ChatGPT等の生成AIの登場により、企業における業務変革の可能性が拡大し、それに伴う人材育成のあり方についても検討が必要となっている。

本調査では、令和5年6月から令和6年3月にかけて計13回の有識者検討会を開催し、生成AIに関する有識者、開発・導入企業、ユーザー企業、関係団体等に計21回のヒアリングを実施した。また、生成AIに関して計10テーマの文献調査を行った。調査結果によると、世界と比較して日本における企業の生成AI導入率は限定的であり、経営層40%、管理職24%、現場従業員19%にとどまっている。しかし、AIや生成AIが仕事に与える影響について、5年前より楽観的な見方が広がっており、時間の節約や役割におけるイノベーション促進への期待が高まっている。この傾向を踏まえ、前向きなリスキリング支援の重要性が指摘されている一方で、役職や年齢層による楽観度の違いに配慮し、特にフロントライン従業員に対するリスキリング手法の検討が必要である。責任あるAI活用を担保しつつ、生成AIの安全な活用を促進し、そのポジティブな影響を実感させることで、AI活用に対する組織文化の醸成を目指すことが重要であると結論づけている。