令和5年度技術開発調査等推進事業(研究開発事業終了後の実用化状況等に関する追跡調査・追跡評価)報告書
報告書概要
この報告は、経済産業省が実施した研究開発事業の追跡調査・追跡評価について書かれた報告書である。令和5年度において、平成29年度、令和元年度、令和3年度に終了時評価を行った19事業を対象として、研究開発成果の実用化状況や知的財産の利用状況を把握する追跡調査が実施された。169機関への アンケート調査を通じて147機関から回答を得て、87.0%の回収率を達成した。さらに過去14年分のデータも活用し、事業化と中止・中断を分ける要因分析が行われた。特に「高度な自動走行・MaaS等の社会実装に向けた研究開発・実証事業」については詳細な追跡評価が実施され、技術開発面では一定の成果があったものの、社会実装に向けた課題が明らかになった。評価委員会では、ビジネスモデルの検討不足、ステークホルダーの参画不足、社会受容性への配慮不足などが指摘された。この評価結果を踏まえ、将来の研究開発事業では、フィージビリティスタディでの市場動向把握、バックキャストによる課題設定、必要なステークホルダーの体制参画が重要であると提言された。また、ベンチャー起業家や海外経済人も含めた多角的視点での評価体制構築、過去の成功・失敗事例を活用した人材育成の必要性が強調されている。
