令和5年度エネルギー需給構造高度化対策調査等事業(福島県における水素社会のモデル構築に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、福島県における水素社会のモデル構築について書かれた調査報告書である。平成28年に策定された福島新エネ社会構想に基づき、福島県全体を未来の新エネルギー社会を先取りするモデル創出拠点とすることを目指している。令和2年3月には浪江町で福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)が開所し、世界最大の水素イノベーション拠点として位置づけられた。本調査では、過年度調査で明らかとなった福島県内における水素の供給力確保という課題に対し、地域ごとに水電解装置を活用した水素供給・利活用モデルの構築を検討している。中通り地域と会津地域における水素サプライチェーン構築に関する調査を実施し、複数の需要家や供給事業者、行政関係者を交えた勉強会を立ち上げた。水素需要ポテンシャルは約225百万Nm3/年と試算され、うち比較的早期に顕在化が期待される需要は約66百万Nm3/年となっている。調査では水電解装置の適切な装置容量やコスト、規制面の整理を行うとともに、水素利活用モデルの拡大・具体化を推進するための検討を進めている。また水素サプライチェーン構築に必要な法令対応についても調査を実施し、2035年頃に向けた水素社会実現への道筋を示している。
