令和5年度中小企業活性化・事業承継総合支援事業(令和5年度商店街等における新陳代謝・事業承継に関する現況調査、個別事例研究・収集)事業報告書

掲載日: 2024年10月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 東北経済産業局商業・流通サービス産業課
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令和5年度中小企業活性化・事業承継総合支援事業(令和5年度商店街等における新陳代謝・事業承継に関する現況調査、個別事例研究・収集)事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和5年度に実施された中小企業活性化・事業承継総合支援事業の一環として、東北地域の商店街等における新陳代謝・事業承継に関する現況調査および個別事例研究・収集についてまとめた報告書である。全国的にシャッター通りと呼ばれる商店街が増加し、空き店舗率が50%を超える地域も存在する中で、経営者の高齢化や後継者不在による廃業が大きな要因となっている状況を受け、東北地域における商店街の新陳代謝が進みにくい要因や課題を明らかにし、効果的な支援策を検討することを目的として調査が実施された。調査では、店舗兼住宅の活用事例として福岡県北九州市の寿通り商店街における取り組みや、区分所有に対する補助制度を整備した5つの自治体へのヒアリング調査が行われた。自治体アンケート調査では、空き店舗対策として開業費補助やランニングコスト補助などの制度を整備している一方で、商工会・商工会議所や商店街振興組合では対策を講じていない割合が高く、対策方法がわからないとの回答が多数を占めていることが判明した。また、店舗兼住宅物件については、電気・ガス・水道メーターが住宅部分と同一であることや、店舗部分と住居部分の間仕切りがないことが賃貸における大きなハードルとなっており、所有者に貸し出す意思がないことが利用促進の最大の障壁となっている。事業承継・新陳代謝の推進に関しては、事業主の高齢化と後継者課題が共通の課題として認識されているものの、自治体における予算化や具体的な取り組みは進んでおらず、専門家の助言や行政の介入、地域内の成功事例、費用負担などの支援体制構築が急務であることが明らかとなった。先進地域の事例として、公的機関や民間事業者の連携によるマッチング機会の創出や情報発信の積極的な取り組みが効果的であることが示されており、補助金だけでなく創業・事業承継へのモチベーション向上と挑戦機会の創出が重要であると結論づけられている。