令和5年度四国地域における「創業×事業承継」支援施策の実証及び課題分析に係る調査 調査報告書
報告書概要
この報告は、四国地域における創業と事業承継の連携支援について実証的に検討した報告書である。四国地域では少子高齢化・人口減少により事業者数が減少し、後継者不在による休廃業増加と開業率低迷が深刻な課題となっている。四国の開業率は全国平均の4.4%を下回り、後継者不在率は年々上昇している状況である。本調査では、創業支援と事業承継支援を連携させることで相乗効果を生み出し、効率的な支援を実現することを目的として実証的取組を実施した。具体的には、アトツギベンチャーと経営資源引継ぎ型創業という二つの形態に着目し、鳴門市と善通寺市を重点支援地域として選定した。アトツギベンチャーは若手後継者が先代の経営資源を活かして新事業展開に取り組むものであり、経営資源引継ぎ型創業は創業希望者が後継者不在企業の経営資源を引き継いで行う創業である。実証的取組では、地域の自治体・商工団体等との対話を通じて課題を把握し、支援策を検討・提案して実際に実施した。また、四国地域でアトツギ等を発掘し、支援ニーズを調査分析した。その結果、地域における創業と事業承継の支援体制構築に向けた具体的な方向性と課題、対応策が明確になった。本事業は支援担い手の裾野拡大を目的とした成果報告会も開催し、四国管内の自治体・商工団体等に向けて創業と事業承継の連携支援展開のポイントを共有した。