令和5年度地域経済産業活性化対策調査(九州地域における若手社会起業家等の発掘及びネットワーク構築可能性調査)報告書概要版

掲載日: 2024年11月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 九州経済産業局総務企画部企画調査課
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報告書概要

この報告は、九州地域における若手社会起業家の発掘とネットワーク構築の可能性について書かれた調査報告書である。

経済産業省九州経済産業局が令和5年度に実施した本調査は、九州地域の包摂的成長実現に向けて、社会課題・地域課題をビジネスで解決する社会起業家に着目し、その発掘と支援ネットワーク構築の方策を検討したものである。調査では社会起業家を「社会性・事業性・革新性を兼ね備え、社会課題・地域課題の解決を目的とし、持続可能性を担保した事業を手がける起業家」と定義した。

九州地域の現状分析では、全国を上回る少子高齢化の進行と可処分所得の低迷、頻発する豪雨災害と防災体制の脆弱化、土木・建築技師の人員不足、脱炭素対策の発展途上状況、デジタル化の大幅な遅れなどの課題が明らかとなった。これらの課題解決において、社会起業家は課題の事業化の担い手、地域特性に合った仕組みの構築者、自治体の協業相手としての役割を果たすことが期待される。

実際の調査では194名の社会起業家をリストアップし、所在地は福岡県が最多で、業種では学術研究・専門技術サービス業が多く、取り組む課題では地域コミュニティづくりが最も多かった。15名への詳細ヒアリングによる事例集の作成や、63名が参加したシンポジウムの開催も実施した。

調査結果から、社会起業家のビジネス創出促進における主要課題として、複雑なビジネスモデルによる資金調達困難、事業運営人材の確保困難、ビジネス領域の偏りが特定された。支援ネットワーク構築については、多様な主体との協業機会提供、課題・ノウハウ共有の場づくり、エコシステム構築による裾野拡大、積極的な情報発信による認知向上が重要な要素として示された。