令和5年度地域経済産業活性化対策調査(九州地域における若手社会起業家等の発掘及びネットワーク構築可能性調査)報告書
報告書概要
この報告は、九州地域における社会起業家の発掘及びネットワーク構築可能性について書かれた報告書である。経済産業省九州経済産業局が公益財団法人九州経済調査協会に委託して2024年2月に作成されたものである。
九州地域を取り巻く環境として、少子高齢化の進行と可処分所得・可処分時間の低迷、災害の増加と地域防災体制の脆弱化、発展途上の脱炭素(GX)および環境・資源問題、デジタル化の遅れといった課題が存在している。九州地域では人口減少が深刻であり、可処分所得が全国平均を下回る状況が続いている。また、近年の災害規模の甚大化や南海トラフ地震への懸念、社会インフラの老朽化といった防災面での問題も顕在化している。脱炭素については企業・自治体ともに取り組みの遅れが顕著であり、デジタル化においても特に中小企業での遅れが目立っている。
これらの社会課題・地域課題に対して、社会起業家は事業化の担い手、地域特性に合った仕組みのつくり手、自治体の協業相手としての役割を担うことが期待されている。本事業では九州地域における社会起業家の実態調査を行い、リストアップとアンケートを通じて活動エリア、従業員数、収益額、取り組む課題、事業運営上の課題などを把握した。
さらに小郡市と西原村において地域づくり勉強会を開催し、自治体と社会起業家の協働の可能性を探った。小郡市では「鴨のまちへの挑戦」をテーマに、西原村では「仕事づくり」をテーマとして、地域課題解決に向けた議論を行った。また社会起業家の活動を広く紹介する事例集を作成し、シンポジウムを開催して社会起業家の認知向上と ネットワーク構築を図った。