令和5年度国連気候変動枠組条約交渉事業(技術メカニズムに関する分析等事業)調査報告書

掲載日: 2024年11月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業技術環境局地球環境対策室
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報告書概要

この報告は、令和5年度国連気候変動枠組条約交渉における技術メカニズムに関する分析等事業について書かれた報告書である。

本報告書は、第22回気候技術センター・ネットワーク諮問委員会(CTCN AB22)、第27回技術執行委員会(TEC 27)、第58回補助機関会合(SB 58)、およびCOP28における技術関連議題の検討結果をまとめている。特に技術メカニズムと資金メカニズムのリンケージについて詳細に分析している。

CTCN AB22会合では、2023-2027年技術メカニズム共同作業計画の実施状況が議論され、ジェンダーと気候技術、技術ロードマップ、デジタル化などの分野における進展が確認された。CTCN事務局の資金動員戦略や技術支援における適格性基準についても検討が行われた。TEC27会合では、ナショナルシステムイノベーション、研究開発実証、人工知能などの革新的技術に関する議論が進められた。

SB58では技術メカニズムと資金メカニズムのリンケージについて重要な進展があり、2024年2月1日までのサブミッション招請、第60回SBI会合でのワークショップ開催、統合報告書作成などが決定された。COP28では技術執行委員会と気候技術センター・ネットワークの共同年次報告書が採択され、人工知能イニシアティブの立ち上げ、技術実施プログラムの設置などが決まった。

技術メカニズムと資金メカニズムのリンケージについては、2014年から継続的に議論されており、制度的リンケージ、活動リンケージ、技術開発・移転支援の3側面で進展がみられる。しかし、CTCN の慢性的な資金不足や手続きの複雑さなど課題も多く残されている。20以上の国や組織から提出されたサブミッションでは、先進国と途上国の間で認識に相違があることが明らかとなっている。今後は両者の認識ギャップを埋め、具体的な成果を出すための合意点を見出していくことが重要である。