令和5年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(スタートアップ企業等によるウクライナ復興事業に向けた調査事業)調査報告書
報告書概要
この報告は、日本のスタートアップ企業とウクライナ企業との連携によるウクライナ復興事業の促進について書かれた調査報告書である。2024年3月にEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社が実施した令和5年度の国際経済調査事業として、ロシアによるウクライナ侵攻で甚大な被害を受けたウクライナに対し、日本政府が表明した支援の一環として実施された。本事業は、日本独自のウクライナ支援として、日本のスタートアップ企業とウクライナ国内企業との事業連携を加速化することを目的としている。具体的には、ウクライナ側担当者とスタートアップ企業間の協議支援、合意文書の作成準備・調印支援、協議全体の進捗管理の3つの主要業務を実施した。2024年2月19日の日・ウクライナ経済復興推進会議をマイルストーンとして設定し、意向表明書(LOI)や基本合意書(MOU)の締結を目指した協議を支援した。事業実施にあたっては、日本国内スタートアップ企業のニーズに基づき、建築、農業、医療、リサイクル、エネルギーなど幅広い分野でウクライナ側のカウンターパート企業を特定した。ウクライナ農業政策・食料省、Federation of Employers of Ukraine、Ukrainian Chamber of Commerce and Industryなどの組織を通じて、361社のウクライナ企業をリストアップし、法的要件、信頼性、過去の取引実績、ビジネス適合性、リスク評価の観点からバックグラウンドチェックを実施した。最終的に11件の合意文書締結に成功し、EF Polymer、アガル、アライドカーボンソリューションズ、インスタリム、セレンディクスなどの日本企業がそれぞれウクライナ企業との連携について合意した。これらの成果により、今後の実証事業や本格的な事業化に向けた基盤が構築されたのである。