令和5年度成長型中小企業等研究開発支援事業(中小企業等向け研究開発支援事業における採択審査スキーム及び中間評価・最終評価スキーム等の高度化・効率化に関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、中小企業庁が実施する成長型中小企業等研究開発支援事業の令和5年度における採択審査スキーム及び中間評価・最終評価スキーム等の高度化・効率化に関する調査について書かれた報告書である。
本調査は、Go-Tech事業の採択審査における外部審査委員による事前評価や中間評価・最終評価における外部評価者による評価等の業務効率化と高度化を図ることを目的として実施された。調査は4つの作業ブロックから構成され、令和5年度Go-Tech事業の採択事務実施、中間評価・最終評価の実施、フォローアップ調査の実施、業務の効率化・高度化のための調査・検証を行った。
採択事務の実施では、第1回公募170件、第2回公募81件の申請書に対し、技術系288名、事業化系267名の外部審査委員による審査を実施した。審査においては相互評価に基づく審査点の補正や申請書内容と審査委員の専門領域のマッチング改善などの新たな取組を継続した。また、事業化ブラッシュアップ再審査では10件の対象案件に対して支援を実施し、当事者向け事後アンケートでは高い満足度が得られた。
中間評価・最終評価では、中間評価256件、最終評価97件を対象として外部評価者による書面評価を実施し、このうち13件の中間評価案件についてはオンラインでの評価ヒアリングを行った。評価者の選定においては採択時に審査を実施した外部評価者を優先的に選定することで評価案件の理解度向上を図った。フォローアップ調査では対象992件中849件から回答を得て、事業終了後の進捗状況を把握した。
効率化・高度化のための課題として、2次公募と事業化ブラッシュアップ採択のギャップ、中間評価時期のスケジュール問題、地方局の業務負担、評価者の評価間違い、相対評価手法の課題などが特定された。これらに対する今後の方向性として、事業化ブラッシュアップ支援の適正化、中間評価時期の前倒し、検査業務の効率化、評価システムの改善、相対評価手法の見直し等が提案されている。本調査により、Go-Tech事業の執行事務見直しに向けた具体的な検討材料が整理された。
