令和5年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業(需給環境整備等事業)報告書
報告書概要
この報告は、令和5年度ヘルスケア産業基盤高度化推進事業について書かれた報告書である。日本の急速な高齢化に対応し、国民の健康と医療ニーズに応える新たなヘルスケアサービスの社会実装を通じて、予防・進行抑制・共生型の健康・医療システムと新産業創出の基盤となるイノベーション・エコシステム構築を目指している。健康・医療新産業協議会が令和2年7月に設立され、需要喚起と供給側支援の両面から検討が進められ、同協議会が策定した「アクションプラン2022」に基づき、健康経営推進と質の高いヘルスケア産業育成に取り組んでいる。本事業では、産業保健や公衆衛生分野の専門家ネットワークを活用し、健康経営制度検討と健全なヘルスケアビジネス育成支援を総合的に実施している。健康・医療新産業協議会および健康投資ワーキンググループ、新事業創出ワーキンググループの開催支援を行い、健康経営施策の中長期的方向性として、健康経営の可視化と質向上、新たなマーケット創出、社会への浸透・定着を三本柱とした施策推進が示された。健康経営度調査では、経営理念・方針、制度・施策実行の各項目で設問の追加・修正・新設・統合を実施し、健康経営優良法人申請書についても複数項目で修正・追加を行った。健康経営銘柄2024では27業種53社が選定され、選定企業紹介レポートが作成されて広く普及活動が行われた。健康経営アワード2024は3月12日と13日の2日間開催され、参加者満足度は高く、特に事例発表・パネルディスカッションでは満足と回答した法人が7割を超えた。心の健康保持・増進領域では、職域における心の健康関連サービス活用に向けた研究会が設立され、サービス提供事業者と雇用主の情報格差解消を通じて、適切なサービス選択と品質・信頼性確保の仕組み検討が行われた。成果連動型民間委託契約方式(PFS/SIB)普及に向けては、中間支援組織への支援、相談窓口設置、事業組成パック更新、汎用的成果指標開発、セミナー開催等の環境整備を実施し、PFS事業件数増加と質向上を図っている。