令和5年度固定価格買取制度効率的・安定的運用業務事業(再生可能エネルギー発電設備の費用報告データ分析業務)報告書

掲載日: 2024年11月30日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部新エネルギー課
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令和5年度固定価格買取制度効率的・安定的運用業務事業(再生可能エネルギー発電設備の費用報告データ分析業務)報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、固定価格買取制度における再生可能エネルギー発電設備の費用データ分析について書かれた報告書である。

2023年度に実施された調査では、事業者から提出された定期報告データを基に、FIT・FIP制度対象設備のコスト動向について様々な観点から分析を行い、2024年度以降の調達価格等算定のための基礎データを作成している。太陽光発電においては、住宅用10kW未満のシステム費用が新築案件で平均28.8万円/kWとなり、前年より6.9%減少している。事業用10kW以上では23.9万円/kWとなり、全規模で低減傾向が継続し、特にパネル費用の低下が顕著である。

風力発電では、陸上風力50kW以上の資本費中央値は34.7万円/kWとなり、大規模案件ほど低コストでの事業実施が可能である。運転維持費は中央値1.34万円/kW/年となり、設備利用率は設置年が近年になるほど向上傾向を示している。地熱発電では、15,000kW未満の資本費平均値は170万円/kWとなり、1,000kW以上では効率的な設置が確認されている。

中小水力発電については、新設案件の資本費は規模により大きく異なり、200kW未満では平均175万円/kW、5,000-30,000kW未満では52万円/kWとなっている。既設導水路活用型は新設より低コストでの事業実施が可能である。バイオマス発電では、木質等バイオマスの燃料費が全体的に上昇傾向にあり、特に一般木材等の燃料費は想定値を上回っている。

発電単価分析の結果、太陽光発電では16.4%の事業者が10円/kWh未満で事業実施しており、これらの事業者はパネル費用や工事費が平均の6-7割程度に抑制され、設備利用率も高い水準を維持している。他の電源についても、効率的な事業運営により目標コストに近い水準での発電が可能な案件が存在することが確認されている。