令和5年度内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業(太平洋島嶼国における社会課題解決型ビジネス展開支援に係る調査事業) 調査報告書 概要版(英文)
報告書概要
この報告は、太平洋島嶼国における社会課題解決ビジネスの開発支援について書かれた報告書である。経済産業省の令和5年度国際経済研究事業として、自由で開かれたインド太平洋戦略の実現に向けて、太平洋島嶼国の経済発展における社会課題への対処方法を探ることを目的としている。
本プロジェクトでは、太平洋島嶼国14カ国の経済概況調査を実施し、各国の事業環境や外国企業投資の状況を把握した。また、日本企業や同盟国企業による事業展開可能性を調査するため、国内企業へのインタビューや現地調査を行った。経済産業省の分類によると、対象国は開発ポテンシャルによって4つのグループに分けられ、パプアニューギニア、フィジー、ソロモン諸島などが比較的大きな経済規模と地域影響力を持つとされる。
詳細調査対象国として、パラオ、パプアニューギニア、フィジー、サモアの4カ国を選定し、各国の優先度の高い社会課題を特定した。主要分野として農林水産業・食品加工、観光業、医療・ヘルスケア、エネルギー・電力、インフラ・建設、金融サービス、廃棄物管理、通信などが挙げられた。
2023年7月に「太平洋島嶼国における社会課題解決ビジネス開発イベント」を開催し、島嶼国でのビジネス展開に関する情報提供とネットワーキングを実施した。その後、26社の応募から12社を選定し、2024年2月に第1回ミッションとして各国への派遣を行った。日本企業が太平洋島嶼国での事業展開において直面する主要課題として、現地政府機関や関連組織との接点構築の困難さ、収益性確保の問題、現地パートナーの確保、法制度の整備不足、人材育成などが特定された。これらの課題に対して、政府機関との関係強化支援、投資促進機関との協力体制構築、低利融資制度の柔軟な運用、法制度整備支援などの具体的な支援策が提言されている。
