令和5年度地域経済政策推進事業委託費(原子力被災地域の可能性調査及び映像制作事業)成果報告書

掲載日: 2024年12月4日
委託元: 経済産業省
担当課室: 大臣官房福島復興推進グループ福島芸術文化推進室
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報告書概要

この報告は、令和5年度地域経済政策推進事業委託費による原子力被災地域の可能性調査及び映像制作事業について書かれた報告書である。

映像・文芸・建築といった各分野のクリエイター20名が福島県双葉町において現地フィールドワークを実施し、原子力被災地域の発展可能性を検討した。事業の目的は、全国のクリエイターに対するプロジェクト発信とクリエイター来訪促進、民間企業の投資・協賛意欲増進、原子力被災地域住民に対する地域活性化機運の醸成であった。

実態調査では、双葉町を起点として8人で3日間の現地調査を実施し、地域ごとの復興状況の差異や住民の前向きな姿勢を把握した。可能性調査では、2023年10月に双葉町産業交流センターで開催され、クリエイターたちが14ヘクタールの空き地を活用したアイデアを自由に検討した。参加者は町内視察、住民交流会、発表会を通じて双葉町の現状を理解し、多様なビジョンを創出した。

クリエイターが描いた12のビジョンには、アスレチックアウトレット、再会するホテル、完成しない図書館、ジオパークサウナなど、双葉町の特性を活かした創造的なアイデアが含まれていた。これらのアイデアを集約した映像作品を制作し、YouTubeやSNSで公開した結果、X(旧Twitter)で55万回表示、57のメディアに掲載され、多くのクリエイターから参加希望や協力の声が寄せられた。

事業評価では、クリエイターからの高い関心獲得と住民からの概ねポジティブな反応を得た一方で、企業からの具体的な投資・協賛には至らなかった課題も明らかになった。今後は継続的なコミュニティ形成、企業向けスポンサープランの開発、地域住民との共創体制強化が必要とされている。