令和5年度エネルギー需給構造高度化対策に関する調査等事業(建材トップランナー制度の見直しに向けた調査及び特定熱損失防止建築材料における現状分析調査)報告書

掲載日: 2024年12月19日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部省エネルギー課
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報告書概要

この報告は、建材トップランナー制度の見直しと特定熱損失防止建築材料の現状分析について書かれた報告書である。

建材トップランナー制度において、従来は戸建住宅等用のみを対象としていた窓について、非住宅等用の窓も制度対象に追加することを検討した。具体的には、非木造用のサッシと、ガラス総厚み10ミリメートル超のガラスや熱線反射ガラスを使用したガラスを対象とした。サッシの出荷状況調査では、ビル用アルミサッシが新型コロナウイルスの影響で2020年に減少したが、その後回復傾向にあることが判明した。一方、木造住宅用アルミサッシは省エネ性能ニーズの拡大により樹脂化が進み、減少傾向にある。

非住宅等用ガラスの性能値は年々改善しており、2018年度の2.75から2022年度には2.42まで向上した。これはLow-E化率の上昇が主な要因である。サッシについても、単板ガラス用サッシから複層ガラス用サッシへの移行、アルミサッシからアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシへの移行により性能改善が図られている。

目標基準値の策定において、2030年度を目標年度とし、サッシはUw値3.82、ガラスはUg値2.14を目標値として設定した。建物用途別では、共同住宅や病院等で高性能窓建材の採用が進む一方、倉庫等では単板ガラスの使用が継続される見込みである。

特定熱損失防止建築材料であるロックウール断熱材について、2022年度に目標年度を迎えたため報告徴収を実施した。調査結果では、2022年度の熱伝導率加重平均値は0.03787であり、基準値0.03781に僅かに及ばなかった。しかし、性能表示については全事業者で適切に実施されていることが確認された。今回の調査により、建材の省エネ性能向上と表示制度の実効性が確認され、2050年カーボンニュートラル達成に向けた建材分野の取り組みが着実に進展していることが示された。