令和5年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(火薬類事故防止対策、火薬類国際化対策事業)報告書分冊2:火薬類国際化対策事業
報告書概要
この報告は、令和5年度に経済産業省の委託を受けて実施された火薬類国際化対策事業について書かれた報告書である。
本事業では、火薬類の保安規制の国際化検討に必要な対応として、国連危険物輸送専門家小委員会(UNSCETDG)および国連分類調和専門家小委員会(UNSCEGHS)における火薬類関連の各国提案文書の審議検討を行った。火薬類国際化対策事業委員会を設置し、両小委員会で各2回開催された会議に対応した。第62回・第44回会議の提案事項は第1回委員会で審議し、その結果を危険物UN対応部会に報告した。また第63回・第45回会議についても同様の手順で対応した。
審議された主要案件として、クラス1からの除外と6(d)試験に関する調査、硝酸アンモニウムエマルジョンの8(d)試験要件削除提案、試験方法マニュアルの修正、爆発・火工効果の定義修正、鈍感化爆発物の分類修正、クラス1爆発物定義の修正などが含まれる。これらの議論結果として、一部提案が採択され、継続審議となったものもあった。
さらに最近のUN提案と火薬類取締法関連事項として、6(d)試験判定基準の見直し、試験シリーズ8の勧告、クラス1定義に関する問題、鈍性化爆発物の分類修正、非常に危険性の低い火工品のクラス1からの除外、煙火の分類、ケーネン試験用鋼管仕様の問題、日本提案のUN8(e)試験修正提案について詳細に分析されている。これらの国際的な議論は日本の火薬類取締法にも影響を与える可能性があるため、継続的な注視が必要である。