令和5年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(火薬類事故防止対策、火薬類国際化対策事業)報告書 分冊1:火薬類事故防止対策事業

掲載日: 2024年12月21日
委託元: 経済産業省
担当課室: 産業保安グループ鉱山・火薬類監理官付
元の掲載ページ: 掲載元を見る
令和5年度産業保安等技術基準策定調査研究等事業(火薬類事故防止対策、火薬類国際化対策事業)報告書  分冊1:火薬類事故防止対策事業のサムネイル

報告書概要

この報告は、令和5年度に発生した火薬類事故の防止対策について書かれた報告書である。事故防止対策委員会は平成6年に設置され、火薬類取扱い作業における問題点の明確化や再発防止対策の検討を行っている。令和5年の火薬類事故は総件数83件で、死亡者はなく負傷者は19名であった。産業火薬類では製造中の事故が2件、消費中の事故が2件発生し、製造中の事故では福島県西郷村で信管暴発事故が起き、従業者が軽傷を負った。この事故は物品整理中に発見した信管を分解処理しようとして発生したもので、火薬類取扱いに対する保安意識の欠如が問題点として指摘された。産業火薬類の消費中事故では発破作業における事故は皆無であり、これは13年ぶりのことであった。煙火及びがん具煙火関係の事故は78件で過去30年で最多となったが、人的・物的被害なしの件数が多く、本来の意味での事故件数は26件であった。がん具煙火製造所では愛媛県宇和島市でクラッカーの引玉による事故が発生し、収函作業中に引玉が発火して従業員が軽傷を負った。煙火消費中の事故では演出効果用煙火の事故が注目され、大阪市のコンサート会場で観客3名が重傷を負うB1級事故が発生した。また、高等学校における理科実験での事故も問題となり、火薬類取締法違反の可能性が指摘された。事故現象別では過早発の事故が例年より多く、中国製煙火の事故の割合が大きかった。再発防止対策として、製品不良を少なくする努力、使用前検査の徹底、防火対策の強化などが挙げられている。