令和5年度エネルギー需給統計整備等調査事業(エネルギー消費統計調査の集計及び利用分析に係る調査研究)報告書
報告書概要
この報告は、令和5年度エネルギー需給統計整備等調査事業におけるエネルギー消費統計調査の集計及び利用分析に係る調査研究について書かれた報告書である。日本の産業部門および業務部門におけるエネルギー消費実態の統計的把握を目的として、製造業の大規模事業所を対象とした石油等消費動態統計のみが存在していた状況を踏まえ、非製造業や中小製造業、業務部門全般を対象とする統計整備が必要となった背景がある。このような課題を解決するため、資源エネルギー庁では平成16年度からエネルギー消費統計調査の試験調査を開始し、平成19年度から本格的な調査を実施している。本調査では令和4年度エネルギー消費統計調査のデータ集計・分析、令和5年度調査の設計、統計精緻化の検討等を実施した。調査では産業中分類を基本とする109業種区分、従業者規模9区分、現場フラグ4区分による層化集計を行い、金額回答の数量換算、回答の推計補完、外れ値排除等の前処理を経て、差推定による拡大推計を実施した。回答状況分析では、電力使用率が99%と最も高く、次いでLPG、都市ガス、灯油等の使用率が高いことが確認された。金額把握割合は全業種平均28%で、従業者規模が小さいほど金額把握の傾向が強いことが判明した。調査結果は総合エネルギー統計への組み込み用として再集計され、統計の精度向上や政策立案の基礎資料として活用される。