令和5年度スポーツDX促進事業(スポーツ団体の収益拡大に向けたDX推進実証事業)最終報告書

掲載日: 2025年2月3日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループサービス政策課スポーツ産業室
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報告書概要

この報告は、日本のスポーツ産業におけるデジタル技術を活用した収益拡大の実証実験について書かれた報告書である。我が国のスポーツ産業は従来チケット収入や広告費を主要収益源としてきたが、新型コロナウイルスの影響で大幅な収益減少に直面した。一方、欧米ではWeb3.0技術やデータ活用により新サービスを展開し、収益拡大を実現している事例が見られる。この背景から、日本のスポーツ競技団体やスタジアム・アリーナでは試合実施日の顧客層拡大と顧客単価向上、非試合日におけるビジネスモデル創出、新規事業による収益源創出が喫緊の課題となっている。本実証では世界最先端のボールパークであるエスコンフィールドHOKKAIDOを起点とし、デジタル技術によるこれらの課題解決を図った。具体的には、データドリブン型ライブエンターテイメントプラットフォーム「Fever」と協働し、「みんなのXmas音楽祭」と「Candlelightコンサート」の2つのイベントを開催した。前者では販売期間10日間で80枚の販売にとどまったものの、26.2%が初回来場者、32.3%がファイターズ試合未観戦者となり、新規顧客層の開拓に成功した。後者では3,327人が来場し、72.6%がファンクラブ未加入者、43%が初回来場者となった。両イベントとも高い満足度を獲得し、非試合日における365日モデル構築の有効性が実証された。本取り組みにより、スポーツ以外の興行開催による新規顧客開拓の有用性、事業推進体制における外部専門人材との共創の重要性、スタジアム設備の多様なイベント対応の必要性が示唆として得られた。今後はエスコンフィールドHOKKAIDOでの継続的なイベント開発と、他地域スタジアム・アリーナへの横展開を推進し、日本のスポーツ産業全体の収益拡大と地域活性化への貢献を目指すとしている。