令和5年度スポーツDX促進事業(スポーツ団体の収益拡大に向けたDX推進実証事業)報告書

掲載日: 2025年2月3日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループサービス政策課スポーツ産業室
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報告書概要

この報告は、スポーツDX促進事業におけるスポーツAIカメラを活用した収益拡大実証実験について書かれた報告書である。

データスタジアム株式会社が経済産業省に提出した令和5年度の事業報告書で、川崎ブレイブサンダースと連携してスポーツAIカメラシステムの実証実験を行った。国内スポーツ産業はコロナ禍でチケット収入や広告費収入が激減したが、欧米ではWeb3.0技術やデジタル技術を活用した新サービスで収益拡大を実現している背景がある。本事業では、スポーツクラブやチームがデータやデジタル技術を活用して新たなサービスを創出するための課題を明確化し、対処するための実証事業を実施した。

実証実験では、SPIIDEOのスポーツAIカメラシステムを使用し、自動追跡機能、解析フィードバック機能、配信プラットフォームなどを検証した。川崎ブレイブサンダースのユースチーム試合での映像配信、トレーニングでの撮影とコーチング活用、トップチーム試合でのVIPルーム内解説サービス、他競技での撮影テストを実施した。利便性、汎用性、拡張性の3つの観点から検証を行い、映像に関する前提知識を持たないスポーツクラブでも簡単に撮影・活用できることを確認した。

アンケート調査では、保護者全員が今後の定期配信を希望し、月額300円未満から1500円未満の範囲で有料視聴への意向を示した。スポンサー企業からも「面が増える」という意味でスポンサー満足度向上に寄与するとの評価があった。VIPルーム実証では、大型タッチスクリーンとタブレット端末を使用した映像解説サービスが参加者から高い評価を得た。年間収支試算では、システム利用料や機器購入費を含む支出198万円に対し、有料視聴やスポンサー協賛などの収入304万円で106万円の収益が見込まれるとの結果となった。外部有識者からは、ユースカテゴリーの価値向上、システム導入コスト削減、観戦価値向上などの成果が確認されたと評価された。