令和5年度産業経済研究委託事業(デジタルライフライン全国総合整備計画アーリーハーベストプロジェクトに関する調査)調査報告書
報告書概要
この報告は、デジタルライフライン全国総合整備計画における新技術の社会的受容性について書かれた報告書である。経済産業省による自動運転バスやドローンなどの新デジタル技術の社会実装に向けて、新潟県佐渡市、山梨県小菅村、群馬県前橋市の3地域でフィールドリサーチを実施し、地域住民による社会的受容の様態を調査した結果をまとめている。調査により、社会的受容性は各コミュニティ内の人間関係に大きく規定されること、技術実証実験とサービス実証実験の間に大きな乖離があること、デジタルライフラインの解決する社会課題が住民には実感しにくいことなどが明らかになった。これらの知見を踏まえ、社会的受容性の難しさを意識変革・行動変容の難しさ、地域固有の文脈に分け入ることの難しさ、フロンティア領域の難しさの3点に整理している。さらに、住民も理解できるグランドデザインの策定、旗振り役とファシリテーターの役割支援、地域の来歴の紐解き、プロトタイピングからの推進という4つの機会領域を提案し、今後の全国展開に向けた指針を示している。
