令和5年度中小企業の防災・減災力の向上に向けたリスクファイナンス可視化ツールの開発等に関する調査報告書(概要版)
報告書概要
この報告は、中小企業の防災・減災力の向上に向けたリスクファイナンス可視化ツールの開発等について書かれた報告書である。近年の自然災害が地域経済に与える影響を踏まえ、中小企業が適切なリスクファイナンスを実現するためのツール開発を目的としている。本調査では、地震や水災の際に必要な資金と調達可能な資金を簡単に把握できるリスクファイナンス判断シートを開発した。このシートは災害による休業時に必要な資金や建物・設備の復旧・修繕費と、調達可能な資金を比較し、資金の過不足金額を把握する機能を持つ。シートの構成は、前提情報として企業情報や想定災害の被害規模を選択するSTEP1と、従業員賃金や復旧費用、現預金や保険金等を入力するSTEP2に分かれている。また、企業4社に対する実証を通じて、水災リスク診断とあわせた検証を実施し、多くの修正・変更を加えて実用性を高めた。操作ガイドでは、各入力項目の詳細な説明を提供し、現預金、売掛金、各種保険、借入金等の調達可能資金と、従業員給与、賃料、復旧費用等の必要資金の算出方法を示している。最終的に休業期間中の資金過不足が表示され、防災・減災対策検討の基礎情報として活用することで、中小企業の事業継続力強化に資することを企図している。
