令和5年度エネルギー需給構造高度化基準認証推進事業(産業用ヒートポンプ及び産業用冷蔵冷凍装置の国際ルール形成戦略に係る調査研究)調査報告書

掲載日: 2025年3月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 製造産業局産業機械課
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令和5年度エネルギー需給構造高度化基準認証推進事業(産業用ヒートポンプ及び産業用冷蔵冷凍装置の国際ルール形成戦略に係る調査研究)調査報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、日本国製品の海外普及を目指した産業用ヒートポンプ及び冷蔵冷凍装置の市場調査とルール形成戦略について書かれた報告書である。

調査対象は欧州(オーストリア、フランス、ノルウェー)及びアジア(インド、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア)の8カ国であり、温水発生ヒートポンプや蒸気発生ヒートポンプ、アンモニア冷媒やハイブリッド冷媒を使用した産業用冷蔵冷凍装置を対象として実施された。性能調査では、日系製品は出力の比較的小さい製品が多く、欧米系製品は大型のものが多いという特徴が明らかになった。100℃以上の高温帯ヒートポンプについては、日系メーカーが比較的早く実現したものの、現在では欧米との大きな優位性は見られない。一方、冷蔵冷凍装置では製品の汎用化が進んでおり、日系と欧米系製品のエネルギー効率は同等程度であるが、安全性の観点から注目される低充填アンモニア冷蔵冷凍装置において日系メーカーが技術的優位を持つ。

各国調査の結果、欧州では環境規制により自然冷媒の導入が進んでいるが、アジアでは導入が限定的である。特にタイとベトナムは、コールドチェーン整備の重要性と一定の省エネ意向があることから有望国として選定された。規格制定状況では、日本固有のJIS規格と国際規格との相違が課題となっており、ルール形成戦略として、日本規格と他国規格の互換性確立、優位性を明確にできる性能評価方法の策定、技術者向けトレーニングによる認知度向上の3つのシナリオが提言されている。