令和5年度商取引・サービス環境の適正化に係る事業(医療機器産業ビジョン構築のための調査)調査報告書

掲載日: 2025年3月12日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ医療・福祉機器産業室
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報告書概要

この報告は、日本の医療機器産業のグローバル展開とイノベーション創出に関する産業ビジョンについて書かれた報告書である。日本の医療機器産業は国内市場依存の構造により成長限界に直面しており、グローバル市場における国内生産額の割合は1990年の22%から2018年には8%まで大幅に低下している。国内市場は持続的成長を見せる一方で、その成長の大部分は輸入によって支えられ、国内製造出荷額は横ばいの状況が続いている。産業の高付加価値化実現には、イノベーション創出のための研究開発投資とグローバル展開による投資回収の循環が不可欠である。特に世界最大の米国市場での評価獲得は、グローバル市場全体の獲得につながるため、最も重要で戦略的な展開が必要な市場として位置づけられる。研究開発費の売上高比率が高い企業ほど海外売上高比率の伸びが大きく、海外売上高比率が高い企業は売上成長率も高い傾向を示している。グローバル展開には薬事承認後も継続的な臨床試験によるエビデンス構築が重要だが、長期的かつ莫大な投資が国内企業の革新的医療機器開発の障壁となっている。今後はAI等のデジタル技術を活用した医療機器開発の促進と、大手企業によるスタートアップの連携強化及びアクセラレーションが重要な戦略として示されている。