令和5年度燃料安定供給対策調査等事業 (次世代燃料の普及促進及び石油精製の技術動向に関する調査)調査報告書(公表用)

掲載日: 2025年3月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 資源エネルギー庁資源・燃料部燃料供給基盤整備課
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報告書概要

この報告は、次世代燃料の普及促進及び石油精製の技術動向について書かれた報告書である。令和5年度に一般財団法人石油エネルギー技術センターが実施した調査で、合成燃料とバイオ燃料の製造技術動向を中心に分析している。

合成燃料については、欧米での製造プロジェクト98件を調査し、前年度より54件増加したことが確認された。このうち稼働中のプラントは6件、最終投資決定または建設開始段階にあるものは7件にとどまり、多くのプロジェクトで当初スケジュールの遅延が発生している。国別ではドイツが最も多く、デンマークでは電子メタノール事業が活発化している。フランスでは原子力発電がEUのグリーン電力として認定されたことにより、合成燃料への取り組みが加速している。英国も政府支援によりスタートアップ企業への資金提供を拡大している。

技術面では、IEAの分析により、製造コスト削減には安定した再生可能エネルギー電力供給と電解槽の稼働効率向上が重要であることが示された。また、原料となる二酸化炭素の調達方法や液体燃料合成技術の最適化も課題となっている。

バイオ燃料分野では、各国で多様な原料とプロセス技術の開発が進んでいる。英国では廃棄物からのバイオガス変換技術、スウェーデンではアルコール経由の持続可能航空燃料製造技術、米国では各種バイオマス原料を活用した製造プロジェクトが展開されている。アジア諸国でも独自の技術開発と商業化計画が進められており、特に持続可能航空燃料の製造技術開発が注目されている。