令和5年度次世代サステナブル技術を活用した知財エコシステム構築事業-報告書-
報告書概要
この報告は、令和5年度における四国地域でのCNFとフードテックを活用した知財エコシステム構築事業について書かれた報告書である。少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や産業の国際競争激化、新型コロナウイルスの影響により、四国の産業競争力維持強化が重要課題となっている状況を背景としている。持続可能な低炭素社会実現のため、四国の強みである製紙業・機能紙産業を活かしたCNF等の高機能素材と、世界的な食市場拡大に対応するフードテック分野での成長産業創出を目指した取り組みである。
事業では先行事例調査としてCNF分野20社、フードテック分野26社の事例をリスト化し、技術面・用途開発面・企業力・知財活用面から総合的に評価した。ヒアリング調査では有望案件として選定されたCNF分野5社、フードテック分野5社に対して具体的な取り組み状況を調査し、各企業の実態を把握した。さらにCNF開発支援検討会を2回開催し、専門家や支援機関が参画して開発課題の解決支援と最新技術情報の共有を図った。
フードテック分野では普及啓発セミナーを開催し、国の施策や知財活用方法、四国内企業の事例紹介を行った。CNF分野では展示会・セミナーを同時開催し、先進的取り組み事例の紹介と知財活用のポイントをアドバイスした。調査結果として、多くの企業が四国の特徴を活かした多様な用途開発に積極的に取り組んでいることが確認された一方、企業規模による知財対応の限界や専門家不足等の課題も明らかとなった。これらの取り組みにより、CNF・フードテック分野の活性化と知財利活用の促進に貢献したとしている。