BE THE LOVED COMPANY REPORT 2.0 社員に、顧客に、地域に、社会に「愛される会社」になろう

掲載日: 2025年3月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 近畿経済産業局総務企画部中小企業政策調査課
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報告書概要

この報告は、社員に愛される会社づくりについて書かれた報告書である。経済産業省近畿経済産業局が実施した「BE THE LOVED COMPANY PROJECT 2023」の調査結果をまとめ、人の幸せを中心に据えた経営の実践知を体系化している。

日本は構造的な人手不足と少子化という課題に直面しており、若者の希望回復と地域の包摂的成長が重要となっている。このような背景から、働き手と企業が選び選ばれる関係を構築し、良質な雇用を創出する中堅・中小企業の実態把握を目的として調査が行われた。

調査では55社にアンケートとインタビューを実施し、そのうち8社を詳細に分析した。兵庫ベンダ工業、カルモ鋳工、HILLTOP、をくだ屋技研、松川レピヤン、宮田運輸、インテリックス、フジワラテクノアートの各社が、いかに社員の幸せを中心とした経営を実践し、業績向上と人材確保を両立させているかを明らかにした。

また、自律的な組織づくりをテーマとした対話セッションや、価値の社内外への伝え方について議論するセッションを開催した。さらに、伊那食品工業への企業訪問を実施し、年輪経営の実践を五感で体験する機会を提供した。

これらの調査・分析を通じて、社員の幸せを中心とする経営図解2.0と若手社員の主体性を育む体系図解1.0を策定した。会社の羅針盤づくりを基盤として、永続的成長のための経営戦略、組織風土のデザイン、人的資本投資の仕組みづくりという3層構造で整理している。

最終的に、人的資本が知的資産に転換されるメカニズムを構造化し、自律型中核人財の創出プロセスを「愛される会社」の価値転換モデルとして提示した。組織文化を耕す継続的な取り組みが、社員の幸せと企業価値の両立を実現する鍵であることを示している。