令和5年度特定国の輸入停止措置等に対応するための水産物の販路開拓及び国内加工基盤強化に関する調査事業調査報告書(概要版)

掲載日: 2025年3月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 北海道経済産業局地域経済部食・観光産業課
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報告書概要

この報告は、日本の水産物輸出における構造変革と基盤強化について書かれた報告書である。日本の食品市場は人口減少により縮小する一方、世界の食料需要は2030年に1,360兆円まで拡大する見込みとなっており、政府は農林水産物・食品の輸出額を2030年までに5兆円とする目標を掲げている。令和5年8月のALPS処理水海洋放出以降、中国をはじめとする特定国による日本産水産物の輸入停止措置により、ホタテ等の水産物輸出が困難となった。特に中国への輸出が大部分を占めていた殻付きホタテの冷凍両貝が行き場を失い、他の魚種も販売経路を失う状況が生じている。ホタテの冷凍両貝輸出は国内水産加工現場の人手不足を背景としており、輸出金額増加には寄与していたものの、ホタテ関連産業全体の付加価値向上には寄与せず、国内水産業の事業基盤弱体化の一因となるおそれがある。輸入停止措置等への対応策として、国内での水産物消費拡大に加え、中長期的には中国以外の他国・他地域への新たな商流構築と、自動加工機械導入による生産性向上や人手平準化等による加工基盤強化が必要である。本事業では、特定国による輸入停止措置等を国内水産業のサプライチェーン全体の構造変革を行う機会と捉え、地域商社と連携した新たな商流構築調査と国内加工基盤強化に向けた機器・設備導入ニーズ調査を実施し、新たな需要先開拓と加工基盤強化を通じたサプライチェーン強靱化により、水産物輸出拡大と国内水産業の持続的発展に繋げることを目的としている。