令和5年度特定国の輸入停止措置等に対応するための水産物の販路開拓及び国内加工基盤強化に関する調査事業報告書

掲載日: 2025年3月14日
委託元: 経済産業省
担当課室: 北海道経済産業局地域経済部食・観光産業課
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令和5年度特定国の輸入停止措置等に対応するための水産物の販路開拓及び国内加工基盤強化に関する調査事業報告書のサムネイル

報告書概要

この報告は、特定国の輸入停止措置等に対応するための水産物の販路開拓及び国内加工基盤強化について書かれた報告書である。令和5年8月のALPS処理水海洋放出以降、中国による日本産水産物輸入停止措置により、ホタテ等の水産物輸出が困難となった状況を受けて実施された調査事業の結果をまとめている。調査は地域商社と連携した新たな商流構築と国内加工基盤強化の二つの柱で構成されている。新たな商流構築では、北海道及び東北管内の水産関連事業者23者と東北・九州の地域商社9者を対象にヒアリング調査を実施し、函館・札幌でマッチング商談会を開催した。国内加工基盤強化では、水産加工事業者18者への機器・設備導入ニーズ調査、新たな加工機械の開発可能性調査を行い、特に生ホタテ分離装置の実現可能性が高いと評価された。また、加工現場の人手不足状況調査では、高齢化と外国人労働者への依存が明らかとなり、機械化・ロボット化による労働環境改善が必要であると提言している。さらに、道内倉庫事業者128者を対象とした冷凍倉庫調査では、中国禁輸の影響により一部事業者で在庫が大幅増加したものの、営業倉庫への影響は限定的であることが判明した。調査結果から、水産業のサプライチェーン強靱化には新たな販路開拓と加工基盤強化が不可欠であると結論づけている。