令和5年度産業経済研究調査事業(経済産業省の組織経営改革を支える人事管理システムのあり方に関する調査)調査報告資料
報告書概要
この報告は、経済産業省の組織経営改革を支える人事管理システムのあり方について書かれた報告書である。令和5年度に実施された産業経済研究調査事業の成果として、タレントマネジメントシステムの導入及び人事管理システム全体のグランドデザイン構築に関する調査結果がまとめられている。
調査の主な目的は、組織経営改革の実現に向けて、年度内に新たに導入予定のタレントマネジメントシステムの試行を行うとともに、中長期的な方向性を検討することであった。具体的には、人材情報管理・共有と人材育成・コミュニケーション機能について要件を確認し、試行に必要なデータ移行について対象・実施方法を明示した。
人事管理業務においては、業務プロセスの標準化・整流化不足、業務に必要なデータの不在・散在が主要な課題として特定された。これらの課題解決に向けて、業務効率化の観点から所属情報を統合データベースに一本化することで情報連携作業を削減し、業務高度化の観点から個々の職員のスキル・経験情報を基に任用検討における情報の非対称性を解消することが提案されている。
システムグランドデザインについては、人事管理機能、統合データベース、共通基盤からなる柔軟性・拡張性を確保したアーキテクチャが採用された。タレントマネジメントシステムを活用して各業務をシステム化し、統合データベースは業務効率の課題解決に加えてデータ分析にも活用される設計となっている。共通基盤には分析基盤と自動化基盤が設置され、更なる高度化と効率化を目指している。
