令和5年度国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(J-クレジット制度推進のための地域支援事業関東局)事業報告書
報告書概要
この報告は、令和5年度におけるJ-クレジット制度推進のための関東局地域支援事業について書かれた報告書である。J-クレジット制度は平成25年10月の制度開始以降、累計885件のプロジェクト登録と約717万トンのクレジット認証を実施している。国際的な気候変動イニシアティブにおける再エネクレジットの需要増加や2050年カーボンニュートラル宣言を受けて、クレジット需要が拡大傾向にあり、大幅な供給量拡大が求められている状況にある。
本事業では広域関東圏における5つの主要な支援活動を実施した。供給拡大に向けた認証支援では11件にアプローチし、過去に認証実績がないプロジェクト実施者に対して解決策の提示とサポートを行った。地域企業と連携したプログラム型プロジェクトの登録支援では8件のアプローチと4件のコーチング支援を実施し、太陽光発電の自家消費型プロジェクトが多くなっている傾向が確認された。森林分野では151件のニーズ調査を実施したものの、森林経営計画の策定、継続的維持管理、費用負担等の課題により具体的なプロジェクト計画書作成に至る案件はなかった。
地域活性化に向けた活用調査では10件のヒアリング・アンケートを行い、2030年カーボンニュートラル50%を目標とする企業において積極的なクレジット活用の動きが活発化していることが判明した。また制度説明会の周知と地域ネットワーク会議を3回開催し、合計479名の参加を得て情報共有と普及促進を図った。これらの取り組みにより、J-クレジット制度の認知度向上とクレジット創出・活用の促進に貢献している。
