令和5年度気候変動対策に係る国際会議の開催等によるエネルギー・環境技術イノベーション創出のための国際連携推進事業(地球温暖化対策技術の分析・評価に関する国際連携事業) 成果報告書
報告書概要
この報告は、地球温暖化対策技術の分析・評価に関する国際連携事業について書かれた報告書である。本事業では最新の科学的知見と国際交渉動向を踏まえ、海外研究機関と連携しながら温暖化対策、ファイナンス、政策の総合的な分析・評価を行い、経済と環境の好循環を目指す国際戦略立案に資することを目的とした。
報告書では気候変動リスクマネジメント戦略のあり方について検討し、気候変動の不確実性を指摘した上で、緩和策、適応策、気候工学的手法を適切に組み合わせたリスク最小化の重要性を論じた。また気候変動対策と持続可能な発展目標とのシナジー・トレードオフを分析し、エネルギー安全保障や鉱物資源供給制約との関係を評価した。
グリーン成長の限界と機会については、世界の経済成長とCO2排出のデカップリング状況を定量的に分析し、日本経済の長期エネルギー生産性変化の構造要因を検討した。さらに電力自由化下での温暖化対策の課題やサステイナブルファイナンスの動向を調査した。
パリ協定NDCsの中期緩和策分析では、各国の2030年排出削減目標を複数指標で評価し、炭素国境調整措置の影響をモデル分析により試算した。長期緩和シナリオ分析では、2050年カーボンニュートラル実現に向けた技術開発動向を整理し、エネルギー供給側と需要側の両面からシナリオ分析を実施した。
最後に国際エネルギー機関等のシナリオとの比較評価を行い、技術・社会イノベーションの重要性を強調した。
