令和5年度無人自動運転等のCASE 対応に向けた実証・支援事業(次世代自動車の普及拡大にむけた蓄電池のカーボンフットプリントに係る検証)調査報告書
報告書概要
この報告は、次世代自動車の普及拡大に向けた蓄電池のカーボンフットプリント検証について書かれた報告書である。欧州では2023年8月に電池規則が施行され、EU市場に上市する電池製品についてカーボンフットプリントの算定をはじめとする製品情報の提出と所定要件を満たした認証取得が義務化された。本調査では、欧州電池規則における認証の仕組みや要件を整理し、我が国における実施環境整備に向けた対策を検討した。欧州の認証スキームは新法的枠組み(NLF)に基づき、通知当局、認定機関、通知機関で構成される。電池規則は2050年カーボンニュートラル実現の重要技術である蓄電池について、資源採取から廃棄までのサプライチェーン全体の持続可能性を目指している。カーボンフットプリント認証では品質保証システムの評価とサプライチェーンの評価が特徴である。国内認証スキームとの比較では、J-クレジット制度や電気用品安全法などの事例を参照し、国際規格に基づく認証体制の構築が有効であると示唆された。日本においても認定機関を起点とした認証体制の検討が必要である。