令和5年度コンテンツ海外展開促進事業(コンテンツ産業における先端的技術活用に関する調査)事業報告書

掲載日: 2025年3月26日
委託元: 経済産業省
担当課室: 商務・サービスグループ文化創造産業課
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報告書概要

この報告は、コンテンツ産業における生成AIの先端的技術活用に関する調査について書かれた報告書である。経済産業省が令和5年度に実施した本調査は、ゲーム、アニメ、広告産業を対象として、生成AI技術の利活用促進に向けた方向性と課題を検討したものである。

生成AI登場により、従来のAI活用範囲が情報処理・分析から生成領域へと拡大し、自然言語による指示で多様な形式の生成物を作成することが可能となった。これにより消費者行動のみならず産業における業務の在り方が大きく変容し、コンテンツ産業においてもクリエイターの裾野拡大や制作・開発業務の効率化など幅広い活用可能性が想定される。

ゲーム産業では、開発の効率化、小規模リソースでの開発促進、ユーザー体験の向上という三つの方向性が示され、国内では開発者を補助する形でコード生成や音声合成等の活用が進んでいる。アニメ産業においては、制作コスト上昇と人材確保が課題となる中で、制作の効率化と流通・2次利用の促進が重要な活用方向性として位置づけられ、背景・彩色等の中間工程を中心に実用化が始まっている。広告産業では、デジタル広告の進展を背景として、制作効率化、マーケティング最適化、マネージドサービス強化の各領域で生成AI活用が進展している。

一方で、著作権を含む知的財産権侵害、個人情報流出、情報の悪用等の懸念も存在するため、各制作工程において人間が適切に介在することにより、リスクを軽減しながら安全な利活用を実現することが重要である。