平成30年度発電所の環境影響評価審査に係る調査委託費(洋上風力発電所調査等手法の検討)報告書
報告書概要
この報告は、洋上風力発電所の環境影響評価手法の検討について書かれた報告書である。本調査は、洋上風力発電所の建設に係る環境影響評価の調査・予測・評価手法における技術的課題をとりまとめ、適正で効果的・効率的な環境アセスメント実施のための課題整理とアクションプラン作成、および水中音・振動による海生生物への影響について実測データを取得し調査・予測手法を検討することを目的としている。
まず環境影響評価を実施すべき調査項目の整理では、発電所アセス省令や基本的考え方報告書の参考項目、海外事例、国内アセス図書を参考に評価項目を検討した。その結果、窒素酸化物、振動、重要な地形及び地質、動物プランクトン、植物プランクトン、地域を特徴づける生態系、主要な人と自然との触れ合いの活動の場、重要な種及び重要な群落については、影響が軽微、自然変動が大きく影響を検出し難い、未解明な部分が多く評価困難、計画段階で影響回避可能などの理由により、基本的に評価項目として選定する必要性が低いと判断した。
次に環境影響評価の技術的課題の整理では、17項目について現状手法の問題点や今後の課題を検討した。流向・流速、水中音、コウモリ類、鳥類、海生哺乳類・爬虫類、主要な眺望点及び景観資源並びに主要な眺望景観、生息基盤の創出による新たな生物群集の形成については、新たな手法の検討や環境影響予測のための知見集積が必要と考えられた。
さらに水中音・振動による海生生物への影響については、千葉県御宿町地先で33日間の水中音連続観測を実施し、背景音の特性把握を行った。また魚類・底生生物影響実験では、サッパとチョウセンハマグリを用いて水中音・振動の影響に関する試験装置を開発し基礎データを取得した。
